仲介業者さんが勧めない物件
今から8年前、2017年の出来事です。
23区から外れた都内の郊外で引越し先を探していた猫ノは、C市の不動産仲介業者さんを訪ねました。
担当してくださった若い男性は感じがよくて丁寧、急がせる感じもなくいろいろな物件情報を見せてくださり、可能な物件は何軒か、すぐに内見にも連れて行ってくださいました。
仮に田中さんとします。
そして、いくつか候補を絞ったうちの1件に、猫ノはほぼ心を決めかけます。
そこは希望の場所とは少し離れていて最寄駅からも距離があり、築26年で4世帯が入った2階建ての木造アパート。
スーパーもコンビニは徒歩15分の距離にしかない物件でした。
それだけ聞くととても魅力的とは言えない物件ですが、なんといっても家賃の割にお部屋が広い。
9帖の洋室と6帖のDKがあり、間の引き戸を外すと15帖のワンルームとして使える間取りでした。
当時の猫ノは間取りが何よりの優先事項で、築年数や駅からの距離はあまり深く考えておらず
田中さんへ、ここがいいなぁとお伝えしました。
すると田中さん、あきらかにおすすめではない様子。
理由ははっきりと仰らないのですが、内見に行った別の物件をとても推してこられます。
田中さん推しの物件は立地が良く、猫ノ推しの物件は広い。
少し悩みましたが、広いお部屋で暮らしたかった猫ノは自分の直感を優先。
気に入った物件への申し込みを決めたのですが、田中さんを見ると、顔に“しぶしぶ”の文字が浮かんでいました。
不思議には思ったのですが、猫ノは引越し後の生活を妄想するに忙しく、立地が良くないせいだろう、くらいに考えていました。
そして申し込みから数日、審査も終わり契約。入居が決まります。
契約までお世話になった田中さんとはお別れし、入居当日。
お部屋の鍵を受け取りに、こんどは物件の管理会社さんへ。
そこで入居当日に初めてお会いした担当者さんは話しやすい印象の中年男性。
仮に鈴木さんとします。
困ったことがあったらなんでも相談してくださいと言ってくださり、安心して鍵を受け取ったのでした。
ここで終わればめでたしめでたしですが、おかしなことは引越し当日から徐々に起こりはじめました。
期待させてしまいますと申し訳ないのでお断りすると、幽霊はでません。
その後起こったことは、次回以降の記事でまとめていきます。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました!

次回、『大家さんの身内』
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